外科的矯正治療について

顎変形症

かみ合わせの異常が、土台である顎の骨の前後方向や左右、あるいは上下方向の大きなズレ(偏位あるいは変形)で生じている不正咬合を顎変形症と呼びます。

通常の矯正治療だけでは充分に満足できる結果が得られない場合が多く、成長のほぼ終了する時期を待って、矯正治療と顎の骨を移動する手術により機能的な咬合を確立します。

これは手術のみで改善をはかる美容外科とは異なり、矯正治療をも行って顔貌(がんぼう)とかみ合せの両方を改善するため、外科的矯正治療と呼ばれています。

術前矯正―手術―術後矯正

通常、手術で顎の骨を移動したときに良くかめる状態を想定して、まず矯正治療で歯並びを整えますが、手術に先立って行われますので術前矯正治療と呼びます。その後3~4週間ほど口腔外科もしくは形成外科に入院をして、上顎のみ、下顎のみ、あるいは上下顎両方を切るなど、患者さんの症状によりいろいろな方法で手術を行います。そして退院後は、最終的なゴールを目指して細かい部分を術後矯正治療で整えていきます。

こうした一連の治療は、矯正医と外科医が綿密に連携を取って、一人ひとりの患者さんに一番よい結果が得られるように考えながら治療を行う、いわゆるチームアプローチにより行われます。

治療前
治療前
治療前
治療後
治療後
治療後